・・・・・・・・・・介護タクシーを開業したいと考えている方へ・・・・・・・・・・
最終更新日:2009年2月14日


これから介護タクシーを自分で開業したいと考えて
いる方もおられると思います。
そんな方に、自分の経験からお伝えできることを
十分ではないですが紹介したいと思います。
ただ、以下で紹介しているのは、あくまで介護タク
シーについてであって、NPOによる有償福祉輸送
事業とは少々異なりますので、ご了承ください。
このへんの違いについても、おいおい紹介していき
たいと思います。

なお、許可申請等についての詳細(関東運輸局)は
以下のホームページをご覧ください。

http://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_koutu/tabi2/
taxi_jigyoukaisi/index.htm


このうち
「許可申請書作成の手引き(福祉輸送限定用)」
部分がいわゆる「介護タクシー」に関するものです

NPO等による有償福祉輸送に関しては同ページの
「訪問介護事業所等の訪問介護員等による自家用自
動車の有償運送の許可基準について」
等をご覧くだ
さい。
なお横浜市で有償福祉輸送を計画される方は
「横浜
移動サービス協議会」
に相談されるとよいでしょう
http://www.yokohama-ido.jp/

@介護タクシーをやる動機
私は50歳代半ばなのですが、数年前までは普通の
サラリーマンでした。そして、そのまま定年まで勤
め上げることよりも、まだ身体の動くうちに、直接
世の中の役に立っている実感を味わう仕事をしてお
きたくて、この仕事を始めました。
たいそうな理想や計画を持っているわけではありま
せん。ただ目の前にいる人が、行きたいと思ってい
るところへ安全・確実にお送りする。それだけを心
に留めてやっています。
あなたが介護タクシーをやりたいという動機は何で
しょうか?
社会貢献ですか?
 これは大いに貢献できます。関われるお客様の数
 は限られますが、それでも確実に困っている方々
 の助けとなり、感謝していただけます。この仕事
 をしてみて感じるのですが、身の回りにはちょっ
 とした移動に困っている方が意外にたくさんおら
 れるのです。
お金儲けですか?
 これは、かなり難しいです。こうした事業でお金
 を儲けようとすることは、私は個人的には大いに
 結構なことだと思います。そういう事例が出てく
 れば追従する人も増え、サービスの質も向上する
 からです。しかし、現実にはなかなかむずかしい
 です。もちろん、頭を使っていろいろやれば、事
 業として成功することも可能でしょう。それはあ
 なた次第です。新しいことをやれば、必ず先駆者
 になれる分野です。
とりあえず、ですか?
 それならやめた方がいいです。開業にもいろいろ
 準備が必要ですし、実はかなりリスクの高い仕事
 です。交通事故や介助時の事故など、下手をすれ
 ばお客様の命にかかわることもある仕事だからで
 す。しかし、その割には収入は期待できません。
 要するに割の合わない仕事なのです。

A開業の準備
私がこの仕事を始めようとしたときは、車の運転に
しても、介護技術にしても、全くの素人でした。で
すから、まずは基礎的な
資格を取得することから始
めなくてはなりませんでした。
ここでは介護タクシーの開業にあたって必要な準備
を「ひと、もの、かね」の視点から紹介します。

資格(ひと)
 介護タクシーの運転手は
2種免許が必要です。現
 在は自動車運転教習所で教習を受ければ、試験場
 での実技試験が免除されます。詳しくは下記のサ
 イトを参考にしてください。
http://homepage2.nifty.com/kken/license/licen
se.htm

 また、必須ではないのですが、
介護の資格を所持
 しているか、
ケア輸送サービス従事者研修を修了
 していることが望まれています。
 ただし、福祉車両ではなく普通のセダン型車両で
 運用する場合には、介護資格を有する者か、ケア
 輸送サービス従事者研修を修了した者を同乗させ
 ることが必須条件です。

設備(もの)
 当然ながら
事業用車両が必要です。福祉車両であ
 る必要はないのですが、実際にはスロープやリフ
 ト等が無いと仕事になりません。福祉車両専門の
 中古業者がありますので、ネットなどで探してみ
 るとよいでしょう。
 また料金申請内容にもよりますが、介護タクシー
 の場合は
タクシーメーターを使用することが一般
 的です。これは専門メーカーに直接発注すること
 になりますが、約15万円くらいでしょう。
 また、事業を許可してもらうためには、
事務所
 必要です。もちろん、自宅兼用でも可です。
 大きなものはそれくらいです。
 パソコン、電話などはプライベートのもので十分
 間に合います。ただ、プリンターは「ちらし」な
 ど大量印刷の必要が出てくるので、モノクロレー
 ザープリンターを用意した方が何かと便利です。
 経理ソフトなども、あった方が効率的です。

資金(かね)
 介護タクシーを開業するのに必要な資金は、上記
 の設備、資格がそろっていれば、それ以上にかか
 ることはほとんどありません。細かく言えば登録
 免許税とか、介護事業保険などがありますが、そ
 れほど多額ではありません。
 ただ、開業当初から多くの客がつくことはほとん
 ど無いので、
安定するまでの運用資金は準備した
 方がよいでしょう。
 また、お金そのものではないですが、さまざまな
 支払いや資金の調整などのために、
事業専用の銀
 行口座
があった方がよいでしょう。家計用の口座
 との兼用でもよいのですが、経理処理のことを考
 えると、面倒でも専用の口座を開設しておくこと
 が望ましいでしょう。個人事業者として運用する
 分には普通口座で問題はありません。

B開業の公的手続き
経営許可申請
 介護タクシーは運輸局が正式に認めている運輸事
 業ですから、当然のことながら運輸局に開業申請
 をして許可を請けなければなりません。そのため
 には数十枚の書類を作成する必要があります。
 「そういうの苦手だからなあ」と言う人には、申
 請を代行してくれる業者(司法書士など)もいま
 すが、かなりの費用を要します。実際にやってみ
 ると素人でも十分にできますから、チャレンジし
 てみてはどうでしょうか。
 まずは、開業したいと思う地域を管轄している

 輸支局
に行きましょう。窓口で「介護タクシーを
 開業したいのですが」と言えば、申請に必要な書
 類一式をくれますし、書き方も丁寧に教えてくれ
 ます。後にわからないことがあれば電話でも答え
 てくれます。
 申請から審査を経て許可が下りるまで、
2ヶ月か
 ら3ヶ月
かかります。その間、車両や事務所など
 の準備をしておきます。書類に不備があれば修正
 指示の通知が来ます。

事業開始届
 経営許可が降りたら、6ヶ月以内に運輸事業を開
 始しなければ、許可は無効になります。開業した
 時点で
「運輸開始届」を運輸支局に提出します。

税務署申請
 これは運輸事業に限らないのですが、事業を開始
 した時には税務署にその旨を届け出なければなり
 ません。税務署に
「個人事業開業届出書」という
 書式があるのでそれで届け出ます。
 同時に
「青色申告承認申請」もしておくと、税務
 申告のときに青色申告で行うことができます。

C開業
開業してまず悩むのが、どのようにお客さんを集め
るか?
ということです。介護業界にコネでもあれば
それをきっかけにしてもいいのですが、そうでもな
ければ、最初は雲を掴むような話です。
そういうノウハウを伝授してくれる業者や団体もあ
りますが、当然それなりの費用が必要です。
私はとりあえず自宅周辺で数千枚の
ちらしを配りま
した。それでも、反応はほとんどありません。
結果的に最も効果があったのは、地域ごとに設置さ
れている
「地域ケアプラザ」(横浜市の場合)に挨
拶にいくことでした。すでに複数の業者が入ってい
ることは承知のうえ、新参者ですから、素直に自己
アピールすることです。
そのうちに、ぼちぼちと電話が入ってきます。

D介護タクシーの日常業務
介護タクシーの日常業務は極めて淡々としたもので
す。依頼のほとんどは通院のための移送です。自宅
に迎えに行き、病院に送る。診療が終わると電話が
入り、迎えに行く。それの繰り返しです。
でも、さまざまな人に出会い、喜んでもらえること
をうれしく思えるならば、毎日は充実し、楽しいも
のになります。
この仕事では利用者さんからの口コミ需要も多いの
で、一人一人のお客様を大切にしなければなりませ
ん。また、普通のタクシーには頼みにくい「近距離
輸送」が多いのも特徴です。商売的に旨みは少ない
のですが、こうした需要に応えるのも介護タクシー
の大事な使命です。
また、輸送事業者として下記のことは毎日の業務と
して確実にやっておく必要があります。
◇車両整備(日常点検)
◇経理処理(日々の入出金記録)
◇運行記録、点呼記録(運送事業者の義務)
その他、顧客管理、ルート研究、新規顧客開拓など
も必要でしょう。

E最後に
介護タクシーや有償福祉輸送を仕事にするについて
は、いろいろな考え方があると思います。それによ
って、仕事のスタイルや方針も様々でしょう。
しかし、お客様の要望は「安全に確実に安く快適に
目的地に行きたい」ということに尽きます。そこを
はずさなければ、何をやってもいいと思います。
私は、「介護タクシー」などという特殊な運送事業
許可など、あること自体が間違っていると思ってい
ます。本来、普通のタクシーがすべてのお客様に対
応していなければならないはずだからです。ただ今
はなかなか実現できないので、意思をもった人ちが
やっているのが現状です。
誰もが、自分の意思のままに自由に移動できる社会
を早く実現して欲しいものです。


以上の件について、ご意見、ご質問があれば
下記にお願いします。
kaigo_hashizou@infoseek.jp