最終更新日:2009年2月14日

現在、運輸局が正式に認可している福祉運送事業は
「介護タクシー」と「福祉有償運送」の2種類のみ
です。移動制約者を対称とした移送事業者という意
味で機能は同じですが、許可の目的や条件が異なり
ます。
介護事業所やケアマネさんでも、福祉輸送について
正確に把握している人は意外に少ないのです。
それでは、これらの福祉輸送事業について、比較表
で説明します。

※介護タクシーに関する内容は運輸局発行の「一般
 乗用旅客自動車運送事業経営許可申請書作成の手
 引き(福祉輸送限定用)」等の記述に基づいてい
 ます。
※福祉有償運送に関する内容は運輸局発行の「福祉
 有償運送の申請に対する処理方針」等の記述に基
 づいています。
なお、詳細については、関東運輸局のホームページ
をご覧ください。
また、以下の表記は参考資料の私なりの解釈で書い
ていますので、もしかすると間違った解釈もあるか
もしれません。お気付きの点がありましたら、ぜひ
お知らせください。

国土交通省関東運輸局「バス・タクシーのページ」
http://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/page2/bus_taxi.html#taxi

名称 介護タクシー
「介護タクシー」というのは俗称であり正式には
「一般乗用旅客自動車運送事業」の福祉限定版と
いうことになります。
福祉有償運送
関連法規 道路運送法第4、43条等 道路運送法第78、79条(旧80条)等
概要 基本的には一般のタクシー事業と同じ経営許可事業
です。ただ、乗客の制限や運転手に特殊な技能を要
する点で、制限のある経営許可となっています。
つまり「限定付きタクシー経営許可」なのです。
福祉目的ということで審査内容が大幅に緩和されて
います。それで、個人事業者でも容易に開業できる
ようになっています。
もともと介護事業者などが介護業務の延長で行って
いた利用者さんの移送を、正式な有償行為として認
可したものです。車両などは普通の車両をそのまま
使用できるなど自由度は高いのですが、営利目的で
あってはならないために、料金設定や旅客設定など
には、ある程度の制限があります
車両 必ずしも福祉車両である必要はありませんが、実際
にはスロープ車などでないと、多くのユーザに対応
することはできません。
また運送事業に使用する車両として、いわゆる「緑
ナンバー」登録が必要です。
車両に対する特定の条件はありません。普通のセダ
ン型車両で運用することができます。ですからヘル
パーが普段に使用している車両をそのまま使うこと
ができます。ナンバーは白ナンバーのままで使用で
きます。
ただ、福祉運送に使用する車両は、すべて登録して
おかなければなりません。
運転手 運転免許は2種免許が必要です。
福祉車両を使用する場合は、介護福祉士、訪問介護
員、若しくは特定の講習を受講した者が乗務するよ
うに努めなければならない、となっています。
セダン等の一般車両を使用する場合には、上記のよ
うな者が乗務することが必須となります。
運転手は普通車1種免許でかまいません。ただ、福
祉輸送に従事するためには、特定の講習を受けてい
ることが必要です。
乗客 障害者、要介護要支援認定者、その他単独で公共交
通機関の利用が困難な人に限られます。
障害者、要介護要支援認定者、その他単独で公共交
通機関の利用が困難な人、という点は介護タクシー
と同じですが、「会員制」が基本で、事業登録時に
は具体的な会員名簿も提出しなければなりません。
運用者 運輸業者として特定の非がなければ、運用主体者に
特に制限はありません。誰でも開業が可能です。
NPO、市町村、公益法人、社会福祉法人、医療法
人、商工会、生協など「非営利団体」でなければ運
用することはできません。
運賃 基本的な運賃は一般のタクシーと同じです。料金の
申請方法も同じです。独自の料金体系で申請するこ
とも可能ですが、認可にこぎつけるには、かなりの
裏付けが必要になります。
なお、介助料金については、運輸局は関知しないた
め事業者ごと独自に設定しています。
福祉有償運送の運賃は営業地域の一般タクシー料金
の「1/2」を目安に設定しなければなりません。
なお、迎車回送料金、待機料金、介助料金等につい
ては、地元の一般タクシーの料金を参考に定めてよ
いことになっています。ただし運賃を含むこれらの
対価については、非営利であることが前提であるた
め「実費相当」を原則とします。
サービス 基本的なサービスは一般のタクシーと同じで、個別
輸送です。乗り合いなどは認められていません。
また、移送の目的にも特に制限はなく、通院などに
限らず、どのような目的でも移送することができま
す。
基本的にドアツードアの輸送で、個別輸送、すなわ
ち複数人の乗り合いではない輸送に限られます。
ただし、人工透析のための輸送、知的障害、精神障
害者の施設への輸送に関しては、運営協議会が認め
た場合に限り複数旅客の運送が可能です。
運送区域 わたしが経営許可を受けた関東運輸局神奈川支局か
らの許可では、発地もしくは着地のいずれかが神奈
川県内であれば運送が可能です。
運営協議会を運用する市町村が、発地もしくは着地
のどちらかに含まれる運送に限られます。
事業申請方法 「認可制」です。
事業者が直接、運輸支局に所定の書類を提出して経
営許可の審査を受けます。最終的には「経営許可」
が下りる、というかたちになります。たいていは運
賃の申請も同時に行います。
「登録制」です。
地方公共団体単位で運営される「運営協議会」に所
定の書類を提出し、運用の必要性や対価の妥当性に
ついて「合意」してもらいます。その後、その結果
も添えて運輸支局に登録を申請します。運輸局の審
査に通れば「自家用福祉有償運送事業者」として登
録されます。
表示 車体には「事業者名」「限定(福祉)」をペンキ、
ステッカー等で車体の両側面に横書き表示しなけれ
ばなりません。文字サイズも規定されています。
その他、車内には「事業者名、自動車登録番号、
運転者氏名、運賃表、運賃割増内容」等を規定に従
って表示しなければなりません。
運賃メーターも表示のひとつとして扱われ、後部座
席からも容易に視認できる位置に装着しなければな
りません。
車体には「事業者名」「有償運送車両」「登録番号
」をペンキ、マグネットシート、ステッカー等で車
体の両側面に横書き表示しなければなりません。
運転者証を旅客の見やすい位置に掲示しなければな
りません。